社長ブログ

新手の偽通販サイトの被害が急増していますので、ご注意ください!

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前回、「3回で お馴染みさん・10回で ご贔屓さん」
の話をすると申し上げて
おりましたが・・・

 

ここ数年、被害が広まっている「偽通販サイト」問題について
最近、新手の被害が急増していますので・・・

 

今回は急きょ話題を変更して
皆様に注意喚起をしたいと思います。

 

従来の「偽装通販サイト」は、存在しない会社の
サイトで、日本語が変だったりしましたが・・・

 

最近は「本物のサイトをコピーした偽装サイト」
現れるようになりました。

タチが悪いのは、店名も、商品も、連絡先も
本物と全く同じ・・・という点です。

 

つまり、「偽装サイトの犯人は、金を騙しとる」けど
クレームは、「本物のサイト」に来る・・・のです。

これら「偽通販サイト」は、本店サイト(独自ドメインサイト)を
コピーした「偽装ネットショップ」 が確認されていましたが・・・

 

最近は、ショッピングモール内のサイトであっても、
「偽装コピーサイト」による被害が出没しています。

 

以下に 『被害例』を書きます。

 

被害例1

 

鈴木さん(仮名)が、ネットショップ(A楽器店)でトランペットを購入したが、
商品が届かなかったために、記載されている「A楽器店の連絡先」に問い合わせたら、
A楽器店は 鈴木さんからの注文を受けていなかった。

 

●実は、鈴木さんが見たネットショップは、
「A楽器店が構築したネットショップ」ではなく、
「別人が構築したネットショップ」(B)だった。

 

●「B」は、ネットショップである 「A楽器店」に見せかけ、
消費者から注文を受けて、振り込ませ・・・
実際には商品を発送せずに代金をだまし取る「偽サイト」だった。

 

【補足説明】

 

偽サイト(偽装ネットショップ)である「B」は、
本物のサイト(A楽器店)と全く同じコピーのサイトで、

店舗ロゴ、デザイン、商品画像、説明文、
連絡先の住所や電話番号も全く同じ。

 

『A楽器店』 と 『B』とが異なる点は、振込先。

「A楽器店」は、支払方法がクレジットカード、
代引き、銀行振り込み となっていますが・・・

「B」は、支払い方法が銀行振込のみ

「B」で商品を注文して、記載されてあった銀行振込口座に
振り込んだ鈴木さんには、商品が届かず・・・。

 

鈴木さんは「おかしい」と思い、
「B」に記載されてある連絡先(A楽器店)
「商品が届いてないよ」と電話をかけると、
A楽器店側には注文のデータ自体がない・・・。

 

A楽器店は、「注文データの加工ミス」を疑うものの、
結局理由が見つからない・・・。

振込履歴を確認したが、そんな振込はない。

振込先を聞くと、A楽器店の振込先ではない
まったく知らない振込先(Bの振込先)だった。

 

 【経過】

 

●「A楽器店」は「B」の存在を知り、
「B」にメールでの警告を行ったが、なしのつぶて・・・

 

●「A楽器店」は警察に相談。

 

●「B」の記載していた口座は、
日本人が外国人に売却した銀行口座だった。

 

●「B」が「外国人による詐欺サイト」であることが判明し
「B」の口座は凍結されたものの、警察からは
「現段階では銀行口座凍結しかできない」と言われた。

 

なぜなら、偽サイトは海外のサーバーにあり、
日本の警察が閉鎖させることはできないためだった。

 

被害例2

 

田中さん(仮名)が、ネットショップ(C鞄店)でブリーフケース商品を購入したが、
商品が届かなかったために、記載されている「C鞄店の連絡先」に問い合わせたら、
C鞄店は、田中さんからの注文を受けていなかった。

 

●田中さんが見たネットショップは、
「C鞄店」が構築したネットショップではなく、
別人が構築したネットショップ(D)だった。

 

●「D」は、「C鞄店」に見せかけ、消費者から注文を受けて、
パスワードやクレジットカード番号、個人情報などを盗み取る
「フィッシング詐欺のための偽サイト」だった。

 

 

【補足説明】

 

フィッシング詐欺サイト(偽装ネットショップ)である『D』は、
本物のサイト(C鞄店)と全く同じコピーのサイトで、
店舗ロゴ、デザイン、商品画像、説明文、連絡先の住所や電話番号も全く同じ。

 

「C鞄店」も「D」も、支払方法はクレジットカード、
代引き、銀行振り込みとなっており、

銀行振込先は、「C鞄店」と同じ振込先が
記載がされていた。

唯一異なったのは、「クレジットカード払い」の際の画面。

 

田中さんは「D」で、クレジットカードで支払いを
行おうと、画面を進むと、

 

「不正使用防止のため」と称して、カード名義人、カード番号、有効期限、
暗証番号等を入力する画面が現れた。(C鞄店には現れない画面)

 

田中さんは入力して注文。

でも、田中さんには商品が届かない。

 

田中さんは「おかしい」と思い、
「D」に記載されてある連絡先(C鞄店)に
「商品が届いてないよ」と電話をかけると、

「C鞄店」側には注文のデータ自体がない・・・。

 

「C鞄店」は、「受注システムの不具合」を疑うものの、
結局理由が見つからない・・・。
田中さんは「クレジットカードの入力ミスかな?」と思い
別の店でブリーフケースを購入。

 

しかし、数ヵ月後・・・
田中さんのもとにクレジットカードの明細書が届いてびっくり!
身に覚えのないクレジット購入明細が数10万円もあった。

 

 【経過】

 

●「C鞄店」は、「Dに商品を注文した消費者」からの
問い合わせが続いたことから、「D」の存在を把握。
警察と弁護士に相談。

 

●Dが「フィッシング詐欺の偽サイト」であることは判明したものの、
「現段階では何も出来ない」と警察からは言われた。

 

●なぜなら、偽サイトは海外のサーバーにあり、
日本の警察が閉鎖させることはできないためだった。

 

対応策

 

これら『偽装ネットショップ』は、
簡単に作れてしまう時代になってしまいました。

 

昔の詐欺サイトのように『変な日本語』ではなく、
完全に「まるごとコピー」で、一部分だけ変えるという
巧妙な方法に進化してしまったからです。

 

詐欺にあった人だけでなく、
コピーされてしまったネットショップにとっても
たまったものではありませんが・・・

 

このような詐欺を 100%の確率で完全に防御できる対策というのは、
今のところ存在していません。

 

もし、このような詐欺サイトが出没してしまった時の対策としては・・・

 

(1)サーバー管理者をAGUSEで確認

(サーバーが海外か日本かだけでも知っておくと良いでしょう・・・)

 

(2)警察に相談し、場合によっては刑事告発
(全国のサイバー犯罪相談窓口一覧

 

(3)正規サイトのURLをお客さんに確認してもらうよう、ページ上で注意喚起。

 

(4)Googleに対して、違法コンテンツを申し立て

検索結果に出ないようにしてもらう。

 

(5)Googleに対して、著作権侵害を申し立て

検索結果に出ないようにしてもらう。

 

※ 詐欺サイトのコンテンツそのものを削除するわけではなく、
あくまでもGoogleのインデックスから削除されるだけです。(←でも一定の効果はあります)

 

(6)Yahoo!JAPANに対して、著作権侵害に関する違反申告

 

(7)フィッシング対策協議会に相談。

ガイドラインに沿って対応する。

 

最後に

 

いずれにせよ、大切なことは、偽サイトによって
企業の信用も低下してしまいますので、
速やかに対応策を講じて、
被害の発生・拡大を最小限にとどめるよう努めることです。

 

対応が遅れることは、顧客のみならず
企業自身の信頼も大きく損なわれることに
なってしまうからです。

 

ネットショップ運営に活かせるヒントは、京都の祇園にある?

 

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EC業界は、昔までは「アクセス数を稼ぐ」ことに注力している方が多かったです。

 

一昔前に流行った

「アクセス数を増やす狙いで実施した プレゼント企画」

が、その典型例ですね。

 

プレゼントに応募してきた人達が「顧客として価値が無い」

とまでは言いませんが・・・

 

決して、歓迎すべき顧客層ではありませんよね。。。

 

 

昨今では「アクセス数を競い合う」よりも 

「顧客として意味のある層の人とのリレーションの構築」

が重視されてきていますが・・・

 

いまだに

「アクセス数を上げなきゃ!」

と、一所懸命になっておられて・・・

 

肝心な事が出来ておられない方を散見しますので、

 
今回はその話題を書きます。
「リレーション」 とは・・・

「関係」「つながり」です。

 

最近、顧客関係性強化のことを

 【CRM】Customer Relationship Management

 

などと、格好よく英語で言い始める風潮がありますが・・・
要は「おもてなし」です。

 

 

「おもてなし」の大きなヒントは、

京都祇園にあります。

 
祇園は、400年以上続いている

「おもてなし商売の街」です。

私は(こう見えても?)

京都の老舗の蔵元6代目

でもあるので、

若い頃に 父に連れられて

祇園の花街で飲む機会が多かったのです。

 
京都に来られたお客様を接待する際、

父が「祇園」をセッティングしたときは

「あ、今夜のお客様は、VIPなんだな」

と察知したものです。

 

(父が他界してから行かなくなったので、もう10年以上 遠のいてますけど・・・)

 

 

祇園の花街には

「お茶屋」「置屋」

があり、

「女将」「芸妓」「舞妓」

という人がいます。

 

「お茶屋」

お客をもてなす場所です。
お客の要望に応じて、

お座敷やお酒、料理、接待する人を準備してくれる

「エージェンシー」の様なものです。

 

「置屋」

芸妓、舞妓を抱える「プロダクション・所属事務所」の様なものです。

 

お茶屋の

「女将」は宴会の演出家、 

「芸妓・舞妓」はタレント

といったところでしょう。

 

ちなみに「舞妓」は修業段階で、レベルが上がると「芸妓」になります。

 

 

「お茶屋」は、

ヨーロッパでいうところの「クラブ」や「サロン」

といった感じで、客と花街の接点になります。

 
このお茶屋という場所は不思議なところでして・・・

メンバーシップを

決めるのは女将

なんです。

 

 

基本的に信頼関係が築けなさそうな人は、

いくらお金を払っても

相手をしてくれません。

 
メンバー表がある訳でもなく、

会員証がある訳でもなく、

メンバーになった人でも、

他に誰がメンバーなのかさえ解らない・・・

 

そんな所です。

 

 

そんな祇園の花街を代表する言葉

「一見(いちげん)さんお断り」

 

です。

 

 

要は

「初めてのお客は受け入れない」

というシステムですね。

 

なぜ、こんなシステムがまかり通っているのか?

というと・・・

 

「花街の支払いはツケが原則だから、誰かの紹介でないと回収できないから」

とか

 

好みわからない一見さんだと、最高のおもてなしが出来ないから」

とか

 

VIPが隠れ場で来る祇園の秘守性を守るために、身元不明者の出入りを制限するから」

など、

 

評論家などが、もっともらしく語っておられますが・・・

 

 

実際に以前、女将さんや芸妓さんに聞いたところによると・・・

「常連さんに、気持ち良く過ごしてもらうため」

 

だそうです。

 
要は

 

「得体の知れない “新規客”の獲得には走らず」

「“常連客” を 依怙贔屓(えこひいき)する」

 

というスタイルなのです。

 

つまり
「アクセス数は気にしない」

「リピート客との関係の維持が最重要」

 

という事です。

 

 

祇園は顔が見える小さなコミュニティーなので、こういった事が

400年も続いているともいえますが・・・

リアルの場がない

ネット通販でも、似たような関係

つくれると思います。

 

 

 

昔、祇園の女将さんに教わった

 

 

『3回で お馴染(なじ)みさん』

『10回で ご贔屓(ひいき)さん』

 

という言葉もありますが、

この話の続きは、また次の機会に・・・。

 

「謝罪会見」に役立つ2冊の本をご紹介します

 

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「コンプライアンス経営」という言葉が一般的になって随分と歳月が経ちますが・・・

 

ホテルでの偽装表示問題が次々と明るみになり・・・

とうとう百貨店にまで広がり・・・
多くの会社で謝罪会見がありました。

 

また、ネットショップでは、課題演出した店舗が
景品表示法違反の恐れ・・・

という事までおこりました。

 

これも「一種の偽装」ともいえますね。

 

 

このニュースが、広がりを見せると、
また、次々と 謝罪会見が行われるでしょう。

 

6年前の「船場吉兆の偽装問題」では、謝罪会見を行ったものの・・・

かえって世間の失笑を受けて、とうとう破産手続きにまで至りました。

 

個人の不祥事ももちろんですが、社会性のある企業の不祥事ともなれば、

その対応如何によっては

「企業生命を失う」

ことに繋がる訳です。
この「不祥事」ですが・・・

 

「うちの会社は法律違反はしていない」と思っていても
「倫理的におかしい!」と批判されたりします。

 

つまり・・・

 

「不祥事のモノサシ」というのは、
時代や環境、世情によって変わってくるものでして・・・

 

皆さんの会社が「不祥事に巻き込まれる可能性」というのは0%ではなく、
対岸の火事として笑ってばかりおれないのではないでしょうか?

 

情報化社会の中、危機におけるマスコミ対応というのは極めて重要になります。
現場での対応と同時に、マスコミ対策や記者会見は、もう一つの戦いでもある訳です。

 

 

なぜなら、マスコミ対応は、

「マスコミの先にある世間との重要なコミュニケーション」

でもあるからです。

 

 

そういった危機管理・・・

とりわけ「クライシスコミュニケーション」に役立つ
2冊の本をご紹介します。

 

1冊は、私のお師匠・佐々淳行先生の著書

わが記者会見のノウハウ―スキャンダル克服の秘訣」

です。

 

佐々先生は、いわずと知れた「国家危機管理」の第一人者で、
「危機管理」という言葉の生みの親です。

 

警視庁時代から数々の修羅場を潜り抜け、その後も警察庁や防衛庁、
内閣安全保障の分野で危機管理を多く担当されて来られ・・・

同時にそれに対する記者会見は数千回も行われた方です。

 

佐々先生とは、もう10年の師弟関係にありますが、

先生は常々

「消極的コンプライアンス」
「積極的コンプライアンス」

という言葉を口にされます。

 

日本的な「なにもしないのが一番」といった消極的コンプライアンスはダメで、
常にに「相手がある」ことが前提であって、

 

また

「コンプライアンスを“法令順守”と表現することは不十分」

「コンプライスは、英語では“応諾”という意味がある」


「コンプライアンスは組織防衛だ。組織に対するあらゆる悪い情報を
いち早く入手し、トップを中心に決断し応諾すること」

 

と、常々おっしゃいます。

 

よく、謝る側が 「法的には問題ない」 と言い、
「法的責任を果たせばOK」 と考えているけれども・・・

 

追及する側(マスコミ)は、法的責任に加えて、
道義的・社会的な責任も果たすべきだと考えている・・・

 

ということです。

 

著書の中では、

・記者会見で嘘は禁物。
・言えないことは言えないという。
・知ったかぶりは禁物。
・ミスリード的相槌を慎む。
・逃げない、待たせない。
・マスコミの締め切り時間への配慮をする。
・オフレコの活用

など書かれています。

 

もう1冊は、田中辰巳さんの著書

「それなら許す!~あなたと会社を救う謝罪術~」

です。

 

田中辰巳さんは「リクルート事件」の渦中で秘書課長、広報課長、

総務部次長、業務部長を歴任され・・・

 

このときの厳しい体験をもとに、現在は企業危機管理の専門家として活躍されています。

 

私はちょうど田中さんがリスクヘッジという企業危機管理の会社を設立されて間もない頃に、

政府系機関のセミナーで登壇された田中さんのお話を聞いたり・・・

 

その後も、金融機関のセミナーや経済団体の研究会でお話を伺う機会がありました。

 

講演やセミナーでは、後述の「社長限界でしょ」のほかに

「謝罪には“癒す”“腑に落ちる”“許される”“忘れる”4つが揃ってはじめて完結する」

と仰っていました。

 

 

著書の中では、記者会見における謝罪のあり方として

・謝意の表明
・調査結果の報告
・原因分析
・改善案の提示
・処分・賠償

の順に、説明して謝罪すすべきだと書かれています。

 

この項目の頭文字を取った『謝・調・原・改・処』をもじって

「社長限界でしょ」
と覚えればよい・・・と述べておられます。

 

また

・言い訳や反論をしない
・嘘や隠蔽をしない
・曖昧な言葉を使わない
・方向を間違えない
・遅くならない
・早とちりしない
・足並みを乱さない
・処分を怠らない

といった事も述べておられます。

 

お2人とも、事例を交えた読みやすい文章を書かれます。

時間があったら、ぜひお読み下さい。

 

経営理念が絵に描いた餅になっていませんか?

2013/10/29 | ブランディング

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「消費者は物ではなく物語を買っている」

「ニーズではなくウォンツ」

「how to sayよりwhat to say」

 

 

マーケッターの間では有名な言葉で、消費者の購買行動の変化についての言葉です。

 

 

昔 (・・・といっても今から14年くらい前の話ですが)

 

政府系金融機関が主催する「関西経済フォーラム」 というのがあり、
私は毎年参加していたのですが・・・

 

 

14年前に、そこで出会った  大手広告代理店
H報堂の偉い方(当時)が仰っていたのが

 

Authenticity(オーセンティシティ)
でした。

 

 

Authenticityとは直訳すると「信頼性、本物」ですが・・・

端的に言えば「決して嘘をついてはいけない」ということ

と仰っていました。

 

 

なぜなら 「嘘をつくと、一瞬にして、ブランドが地に落ちるから」
だと仰って納得した記憶があります。

 

ちょうど、そのころ 鉄壁のブランド力を誇った雪印が・・・

 

雪印乳業による雪印集団食中毒事件(2000年)と
雪印食品による雪印牛肉偽装事件(2001年~2002年)

 

を起こし・・・

見事にブランドイメージが崩れ去ったからです。

 

 

私のお師匠で
危機管理の第一人者である佐々淳行先生

から聞いた話ですが・・・

 

実は、雪印乳業は、その45年前の 昭和30年(1955年)に

「雪印八雲工場脱脂粉乳食中毒事件」というものを起していたそうです。

 

 

当時の雪印乳業は、即座に謝罪と製品回収、謝罪広告の掲載、被害者への謝罪訪問など

先手先手で対応措置を展開。

 

 

危機管理(リスクマネジメント)の対応という点では、当時の日本の企業の危機管理水準
遙かに上回る措置であったことから・・・

 

企業イメージへの打撃を最小限度に押さえたばかりか、長期的に見れば
企業イメージ向上にすら繋がったと言われているそうです。

 

佐々淳行先生が仰っていたのは・・・
当時の雪印社長であった佐藤貢さんは、「全社員に告ぐ」という文章を作り、

 

『信用を獲得するには長い年月を要し、
これを失墜するのは一瞬であり、
そして信用は金銭で買うことはできない』

 

といった旨を記し

「安全な製品を消費者に提供することこそが、雪印の社会的責任である」 

と訴え続けたそうです。

 

 

雪印乳業は、昭和後期までは『全社員に告ぐ』を新入社員に配り、

八雲工場事件の教訓を常に教え、安全な製品作りを心掛ける教育を施していた・・・

 

そうです。

 

 「(当時の)消費者は、この雪印の姿勢と物語に賛同」し、ブランド力が向上した訳です。

 

 

 

その結果、雪印グループは、乳業トップ・食品業界でも

屈指の巨大企業グループに登り詰めました。

 

しかし・・・

 

 

グループの事業規模拡大とともに、トップブランドへの驕りが生じ、
安全教育も風化していったのでしょう。。。

 

 

30年以上にわたって綿々と続けられてきた「全社員に告ぐ」の配布は、
1986年をもって中止となり・・・

 

 

2000年と2001年の事故の頃には
「全社員に告ぐ」 は完全に風化していた。。。

 

との事でした。

 

雪印のブランド失墜から14年・・・

 

 

阪急阪神ホテルズ「偽りメニュー」 がニュースになり・・・

とうとう、阪急阪神ホテルズの社長が辞任する事態にまでなりました。

 

 

阪急といえば創業者小林一三

 

 

箕面有馬電気軌道(後の阪急電鉄)の経営を基に、阪急百貨店、
宝塚温泉、宝塚歌劇団、東宝・・・と多角化を図り、

後に、商工大臣、国務大臣を歴任。

 

昭和32年にこの世を去るまで政財界で、多大な活躍をされた方です。

 

 

そんな小林一三のモットーとして有名な言葉が

「大衆のために」

「自分の計算から出発しない」

 

です。

 
「夢の経営者」という異名を持った小林一三さんのの商法は、

様々な経営者のお手本となっています。

 

 

いくつかのブログなどで紹介されていますが・・・

小林一三を語る阪急百貨店のエピソード があります

 

 

<以下引用>

百貨店の食堂で、カレーライスが大ヒットとなるも・・・

当時、学生は、カレーライスを買って食べるほどのお金がなかったので、
ライスだけ注文し、福神漬を菜にソースをライスにかけて食べるのが流行した。

中には、弁当持参でタダでソースをかけて、福神漬で食べる人まで出てきた。

食堂の係りは困り果て、カレーライスの客が食事を終えたあと、
一回一回福神漬とソースを引き上げてはどうかと提案する。

それが一三の耳に入った。

係りの意見に一三は、

「そんなケチなことをするな。学生がお金がないのは当たり前だ。
そんな学生が遠慮せず食べられるよう、ライスの値段を下げて、
福神漬でもソースでもどんどん出してやれ。」

「彼らはいつまでも学生ではないぞ」と指示した。

<以上、引用終わり>

 

  「(当時の)消費者は、この小林一三の姿勢と物語に賛同」し、ブランド力が向上した訳です。

 

しかし・・・

 

 

グループの事業規模拡大とともに、トップブランドへの驕りが生じ、
「自分の計算から出発しない精神」も風化していったのでしょう。。。

 

 

ここで、ふと

「阪急阪神の経営理念は、今どうなっているんだろう?」 

と思い、見てみました。

 

 

 

格好よく書かれていますが・・・

 

 

あの記者会見を見ると 「絵に描いた餅だよね?」

と思っていしまいますね。
経営理念は、額に飾ったり見栄をはるためのものではない

訳で・・・ 

 

 

絵に描いた餅 になるくらいなら・・・・

 

シンプルに

小林一三の魂のこもった言葉である

「大衆のために」 「自分の計算から出発しない」


のまま
にしておき、

それを徹底すれば良かったのでは?

 

 

と・・・外野席から勝手に思ってしまいました。

 

インプットとアウトプット

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こんにちは。ハイフィット社長の吉村正裕です。

今回の話題は「インプットとアウトプット」です。

 

最近、つくづく感じるのは「“知る”のと“行う”のは違う」ということです。

 

つまり「頭の中にインプットしただけで、何もしなければ結果は何も変わらない」ということです。

例えば、柔道の場合・・・「背負い投げ」という技がありますが

 

理屈で

 

(1)釣手側の肘ないし前腕部で相手の脇を下から固定
(2)引き手を引く
(3)支点を肩ないし背中に置いて、テコの原理で投げる

 

と知ったところで、試合で投げれる訳がなく・・・

 

頭で覚えたことを、身体で覚えさせるため、反射的に身体が動くようになるまで、
ひたすら組手練習や本番の試合で経験を積むのが大切な訳です。

 

よく 「セミナーマニア」 「本マニア」 といった勉強会マニアの方がおられますが・・・
実践出来ていない方が多いです。

 

とにかく、「アウトプット(出力)すること」

 

これが大事な事なのです。

 

 

ここで1つ注意しなければならない事があります。


「なにしろ、良い話と思ったら実践あるのみ」

というのは、正しい事ですし、
大事な事ではあるのですが・・・・

 

「とりあえず、実行あるのみ」を鵜呑み・丸のみしてしまい
逆に弊害を起こされる方もおられます。

 

これまた「セミナーマニア」「本マニア」の方に多いのですが・・・

 

例えば、店舗運営の場合・・・

 

「転換率を上げるために【A】を実施した」

 ↓

「でも、結果が出なかったので、集客を上げるために【ア】を実施した」

 ↓

「でも、結果が出なかったので、客単価を上げるために【甲】を実施した」

 

という方。

 

違いますよね・・・

本来行うべきは、

 

「転換率を上げるために【A】を実施した」

 ↓

「でも、結果が出なかったので、転換率を上げるために【B】を実施」

 ↓

「でも、結果が出なかったので、転換率を上げるために【C】を実施」

 

なんですよね。

 

「何か他に良い方法は?」とインプットされる事自体はかまいませんが・・・

 

「アウトプット前提のインプット」

これが大事なんです。

 

ヤフー「eコマース革命」について考察

 

 

 

 

 

ところが、ヤフー会長でもあるソフトバンクの孫正義社長が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアル店舗による「オンラインストアの併設」が盛んです。

 

米国のトレンドを日本に持ち込んで戦いを有利に進める

という事を、昔から得意としている孫正義さんは、

 

孫子の兵法(軍形篇)『モノサシを決めておこう!』

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こんにちは。ハイフィット社長の吉村正裕です。

今回の話題は「モノサシ」です。

 

前回は、「業務の棚卸」について書きました。

業務を可視化したら、

その次は 「体制を再構築」 しなければなりません。

 

そこで、ヒントとなるのが

「孫子の兵法」です。

 

孫子の兵法の『軍形編』に次のような一節があります。

『善く兵を用うる者は、道を修めて法を保つ』

『故に能く勝敗の政を為す』
(現代語訳)
用兵に優れた者は、勝つための考え方を踏まえて、進むべき道筋を示し、軍制や評価・測定の基準を徹底させる

 

『法は、一に曰く度、二に曰く量、三に曰く数、四に曰く称、五に曰く勝』

 

『度』とは、長さ・広さの計算。

つまり、戦場の広さや地形(市場規模や特性)を把握すること

 

『量』とは、分量の計算。

 

つまり、投入する兵力(人・金・物)の大きさを把握すること

ここで注意すべきは「多ければ多いほど良い」という訳ではありません。

キャパシティを無視した兵力投入は命取りになりかねませんからね。

 

『数』とは、数値の分け方の判断。

つまり、部隊編成(人・金・物の配置)です。人の能力や資質、業務内容や品物のタイプを状況にあわせて吟味すること

 

『称』とは、軽量の判断。

つまり、戦場(業務・仕事)のどこに重点を置き、どんな部隊(人・金・物の配置)に重点を置くか、を比較し、見極めること

 

孫子は、

物事を正確に把握する尺度や基準

(モノサシや、升目、数、比較対象)を

「予め明らかにしておかねばならない」

と説いたのです。

 

要は、「棚卸して可視化した業務」に対して、基準値や目標値を設定し、それをどう測るのかを予め決めておく。

さらに、その結果をどう評価に結び付け、再改善に反映させるかを徹底しておかなければならないということです。

これらの流れを、誰が見ても分かるように見える化しておくことが、「業務改善」を進める上で必要なのです。

業務の棚卸について

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こんにちは。ハイフィット社長の吉村正裕です。

 

 

前回、『業務の取捨選択』について書きました。

今回は『業務の棚卸』について書きます。

 

 

メーカーや問屋や小売業で通常『棚卸』というと「在庫の棚卸」を指しますよね。
この時

『この商品(仕掛品・資材・原材料)は、1000個あるはず』

『実際に数を数えてみると・・・1000個』

『よし!合ってる!』

 

ところが理屈上はそうでも、実際にはそうでなかったりします。

というのも「帳簿上より実際に多かったり、少なかったり」しますし、

 

たまに「帳簿に乗っていなかった資材・包材」というものが
出てきたりするんですよ。

 

「あれ?これ・・・去年 発注してたのね?」とか

「あれ?こんなもの、もう使わないぞ?」とか・・・

 

メーカーの場合は、特に「???」というものが出てきたりします。

私は酒造会社の蔵元でもありますが・・・
昔は この棚卸だけで、1週間を要しました。

ローテクの時代でしたから・・・

当時、酒蔵と瓶詰工場と、2ヵ所の拠点がありましたので、
いちいち棚卸表の紙に赤ペンでチェック。。。
しかも電卓で計算・・・

いま、同じことをやれと云われても嫌ですし、無理です(苦笑)

今は、ハンディターミナルやPC(タブレット端末)などを用いて
省力化されていますので、こんな風景はどの会社さんでも
お目にかからなくなりましけどね・・・

話は逸れましたが・・・

『業務の棚卸』も同じです。

「いつ」 (時間帯)
「どこで」 (場所)
「誰が」 (作業者・管理者)
「誰と」 (作業者・管理者・外注先etc)
「何を」 (作業前の状態のモノや仕事)
「どのくらいかけて」 (人・金・モノ・時間)
「どうしているのか」 (作業後の状態のモノや仕事)

を洗い出していくことが重要となります。

 

ここで、間違ってはいけないのは

この段階で
『現在の業務ルールを洗い出すわけではない』

という事です。

レンホーさんの「事業仕訳」ではありませんので(苦笑)
というのも、どのような会社でも
「ルール」「慣例」「習慣」というものが必ず存在するのです。
それらを先に洗い出すのではなく、

先に 「現状業務の棚卸」が必要なのです。

要は「現在の作業」について、

“いつ”
“どこで”
“だれが”
“何を”
“どのくらい要して”
“どのように”

について、
余すところなく『把握』して『見える化』する

のが第一歩なのです。

ここの手を抜くと、後で痛い目にあう場合があるので、

まずは『可視化』『再認識』が必要なのです

業務の取捨選択の必要性

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こんにちは。ハイフィット社長の吉村正裕です。

今回の話題は「業務の取捨選択」です。

 

 

私は、モールの店舗さんを中心に「店長育成サポート」を行っているのですが、

取扱い商品も、会社の規模も様々ですし、

形態もメーカーさん、卸さん、小売さん・・・と様々です。

 

そんな中で、取扱い商品や業態や規模によっては

「効率化」について悩まれておられる会社さんが多々あります。

なにしろ、ネットショップは「やる事」が多いですから・・・

『何をやるか』は、とても大事なことですが、それ以上に大事なのが。。。

『何をやらないか?』 なのです。

いわゆる【業務の取捨選択】ですね。

 

ただし、取捨選択のためには、一時期は気合いと根性で、ガムシャラに様々業務を経験する必要があります。

 

店舗開店当初は、あらゆる事を試したり、頑張ってみて・・・

徐々に自分の店と合う業務に重点をかけていきながらシフトしていくことが大切でしょう。

 

私の会社が、WEBサービスのツール等を提供しているから言うわけではないのですが、

中途半端な知識で、自分で必死で時間をかけてサイトを作成している方・・・。

 

そんな暇があったら、

売上をあげるための戦略を練ったり、

競合他社の研究をしたり、

商品の勉強をしたり、

コンテンツを充実させたり、

接客活動をしたり・・・

 

という仕事に集中したほうが良いのではないでしょうか?

 

話は少し逸れますが・・・

最近、

『悪徳業者に騙された!』

という方が増えています。

ほんとに酷い業者っていますからね・・・

 

で、騙された方の多くは

『このままだと、腹の虫がおさまらない!』

と、訴訟活動に燃えておられる方もいます。

 

別に、いいんですよ。いいんです、、、

自分の精神を鎮めるために必要でしょうし、社会正義のためにも必要でしょう。

 

でもね・・・

 

ネットショップ経営者の

本来の業は、

あくまでも商人なんですよ。。

 

まるで、株式投資をなさっていて、

「証券マンに騙された!」

 「おかげで損をした!」

 

といって、弁護士を雇って、弁護士費用と訴訟費用を払って・・・

 

挙句は、裁判所に

「それって、あんたの自己責任でしょ?」

と言われて、損を重ねるのと同じではないでしょうかね?

商人の本来の仕事は

「価値を提供してお金をもらうこと」

そのための、さまざまな研鑽

ですからね。。。

 

何をするかを決めると同時に、「何をしないか?」をしっかりと決めてみてはいかがでしょうか。

 

そのためには『業務の棚卸し』『見える化』が第一歩なのですが、それは次回に書きたいと思います。

 

 

マーケティングとは? 一言でいうと何でしょう?

2013/05/18 | マーケティング

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こんにちは。ハイフィット社長の吉村正裕です。

今回の話題は「マーケティング」です。

 

ネットショップといっても「小売業の一手段」ですから「マーケティング」が必要です。

では 「マーケティング」とは、いったい何?なのでしょうか・・・

 

日本マーケティング協会の1990年の定義によると・・・

「マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。」

と書かれています。

 

また、本を見たり、googleで調べてみたりすると・・・

・商品戦略
・企画・開発・設計
・ブランディング
・市場調査・分析
・価格設定
・広告・宣伝・広報
・販売促進
・流通、チャネル戦略
・集客、接客、コミュニケーション
・顧客の情報管理等

など書かれています。

 

更に、勉強してみると、3Cとか、4Pとか、5Forcesとか、

SWOT分析とか、XYZマトリックス・・・など難解な用語や分析手法が載っているはずです。

 

いや~何の事やらさっぱり解らない・・・難しい~w

単語を見ただけで嫌になる方も多いかと思います。

 

でも・・・

マーケティングって何をすること?
という事がわからないと、
実践できませんよね。

工学部出身の、私なりの解釈で、簡単にいうと

 

マーケティングとは・・・

誰に、どんな価値を提供して、どうやって お金をいただくか?
を考えて、行うこと

ではないかと思います。

これを突き詰めて行けば、自然と

何を考えれば良いか? 何を見れば良いか? どんな事をすれな良いか?

が見えてくるかと思います。

 

[追伸] 3年ぶりにブログを書き始めました。まだ暖機運転状態ですが、宜しくお願いします。