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新手の偽通販サイトの被害が急増していますので、ご注意ください!
2013/11/29 | ネットショップ・Eコマース
前回、「3回で お馴染みさん・10回で ご贔屓さん」
の話をすると申し上げておりましたが・・・
ここ数年、被害が広まっている「偽通販サイト」問題について
最近、新手の被害が急増していますので・・・
今回は急きょ話題を変更して
皆様に注意喚起をしたいと思います。
従来の「偽装通販サイト」は、存在しない会社の
サイトで、日本語が変だったりしましたが・・・
最近は「本物のサイトをコピーした偽装サイト」が
現れるようになりました。
タチが悪いのは、店名も、商品も、連絡先も
本物と全く同じ・・・という点です。
つまり、「偽装サイトの犯人は、金を騙しとる」けど
クレームは、「本物のサイト」に来る・・・のです。
これら「偽通販サイト」は、本店サイト(独自ドメインサイト)を
コピーした「偽装ネットショップ」 が確認されていましたが・・・
最近は、ショッピングモール内のサイトであっても、
「偽装コピーサイト」による被害が出没しています。
以下に 『被害例』を書きます。
被害例1 |
鈴木さん(仮名)が、ネットショップ(A楽器店)でトランペットを購入したが、
商品が届かなかったために、記載されている「A楽器店の連絡先」に問い合わせたら、
A楽器店は 鈴木さんからの注文を受けていなかった。
●実は、鈴木さんが見たネットショップは、
「A楽器店が構築したネットショップ」ではなく、
「別人が構築したネットショップ」(B)だった。
●「B」は、ネットショップである 「A楽器店」に見せかけ、
消費者から注文を受けて、振り込ませ・・・
実際には商品を発送せずに代金をだまし取る「偽サイト」だった。
【補足説明】
偽サイト(偽装ネットショップ)である「B」は、
本物のサイト(A楽器店)と全く同じコピーのサイトで、
店舗ロゴ、デザイン、商品画像、説明文、
連絡先の住所や電話番号も全く同じ。
『A楽器店』 と 『B』とが異なる点は、振込先。
「A楽器店」は、支払方法がクレジットカード、
代引き、銀行振り込み となっていますが・・・
「B」は、支払い方法が銀行振込のみ。
「B」で商品を注文して、記載されてあった銀行振込口座に
振り込んだ鈴木さんには、商品が届かず・・・。
鈴木さんは「おかしい」と思い、
「B」に記載されてある連絡先(A楽器店)に
「商品が届いてないよ」と電話をかけると、
A楽器店側には注文のデータ自体がない・・・。
A楽器店は、「注文データの加工ミス」を疑うものの、
結局理由が見つからない・・・。
振込履歴を確認したが、そんな振込はない。
振込先を聞くと、A楽器店の振込先ではない
まったく知らない振込先(Bの振込先)だった。
【経過】
●「A楽器店」は「B」の存在を知り、
「B」にメールでの警告を行ったが、なしのつぶて・・・
●「A楽器店」は警察に相談。
●「B」の記載していた口座は、
日本人が外国人に売却した銀行口座だった。
●「B」が「外国人による詐欺サイト」であることが判明し
「B」の口座は凍結されたものの、警察からは
「現段階では銀行口座凍結しかできない」と言われた。
なぜなら、偽サイトは海外のサーバーにあり、
日本の警察が閉鎖させることはできないためだった。
被害例2 |
田中さん(仮名)が、ネットショップ(C鞄店)でブリーフケース商品を購入したが、
商品が届かなかったために、記載されている「C鞄店の連絡先」に問い合わせたら、
C鞄店は、田中さんからの注文を受けていなかった。
●田中さんが見たネットショップは、
「C鞄店」が構築したネットショップではなく、
別人が構築したネットショップ(D)だった。
●「D」は、「C鞄店」に見せかけ、消費者から注文を受けて、
パスワードやクレジットカード番号、個人情報などを盗み取る
「フィッシング詐欺のための偽サイト」だった。
【補足説明】
フィッシング詐欺サイト(偽装ネットショップ)である『D』は、
本物のサイト(C鞄店)と全く同じコピーのサイトで、
店舗ロゴ、デザイン、商品画像、説明文、連絡先の住所や電話番号も全く同じ。
「C鞄店」も「D」も、支払方法はクレジットカード、
代引き、銀行振り込みとなっており、
銀行振込先は、「C鞄店」と同じ振込先が
記載がされていた。
唯一異なったのは、「クレジットカード払い」の際の画面。
田中さんは「D」で、クレジットカードで支払いを
行おうと、画面を進むと、
「不正使用防止のため」と称して、カード名義人、カード番号、有効期限、
暗証番号等を入力する画面が現れた。(C鞄店には現れない画面)
田中さんは入力して注文。
でも、田中さんには商品が届かない。
田中さんは「おかしい」と思い、
「D」に記載されてある連絡先(C鞄店)に
「商品が届いてないよ」と電話をかけると、
「C鞄店」側には注文のデータ自体がない・・・。
「C鞄店」は、「受注システムの不具合」を疑うものの、
結局理由が見つからない・・・。
田中さんは「クレジットカードの入力ミスかな?」と思い
別の店でブリーフケースを購入。
しかし、数ヵ月後・・・
田中さんのもとにクレジットカードの明細書が届いてびっくり!
身に覚えのないクレジット購入明細が数10万円もあった。
【経過】
●「C鞄店」は、「Dに商品を注文した消費者」からの
問い合わせが続いたことから、「D」の存在を把握。
警察と弁護士に相談。
●Dが「フィッシング詐欺の偽サイト」であることは判明したものの、
「現段階では何も出来ない」と警察からは言われた。
●なぜなら、偽サイトは海外のサーバーにあり、
日本の警察が閉鎖させることはできないためだった。
対応策 |
これら『偽装ネットショップ』は、
簡単に作れてしまう時代になってしまいました。
昔の詐欺サイトのように『変な日本語』ではなく、
完全に「まるごとコピー」で、一部分だけ変えるという
巧妙な方法に進化してしまったからです。
詐欺にあった人だけでなく、
コピーされてしまったネットショップにとっても
たまったものではありませんが・・・
このような詐欺を 100%の確率で完全に防御できる対策というのは、
今のところ存在していません。
もし、このような詐欺サイトが出没してしまった時の対策としては・・・
(1)サーバー管理者をAGUSEで確認
(サーバーが海外か日本かだけでも知っておくと良いでしょう・・・)
(2)警察に相談し、場合によっては刑事告発
(全国のサイバー犯罪相談窓口一覧)
(3)正規サイトのURLをお客さんに確認してもらうよう、ページ上で注意喚起。
(4)Googleに対して、違法コンテンツを申し立て。
検索結果に出ないようにしてもらう。
(5)Googleに対して、著作権侵害を申し立て。
検索結果に出ないようにしてもらう。
※ 詐欺サイトのコンテンツそのものを削除するわけではなく、
あくまでもGoogleのインデックスから削除されるだけです。(←でも一定の効果はあります)
(6)Yahoo!JAPANに対して、著作権侵害に関する違反申告。
(7)フィッシング対策協議会に相談。
ガイドラインに沿って対応する。
最後に |
いずれにせよ、大切なことは、偽サイトによって
企業の信用も低下してしまいますので、
速やかに対応策を講じて、
被害の発生・拡大を最小限にとどめるよう努めることです。
対応が遅れることは、顧客のみならず
企業自身の信頼も大きく損なわれることに
なってしまうからです。