「 ネットショップ・Eコマース 」 一覧
「一粒百行」と「客に訊け」
2015/01/14 | ネットショップ・Eコマース
「一粒百行」(いちりゅうひゃくぎょう)という言葉があります。
米を一粒実らせるのには、百の手間がかかるという意味です。
では・・・
ネットショップでお客様が買い物をする際、買い手(お客さん)は、
いったい 幾つの行=アクション(行動)をしているか・・・
そんな事を考えてみたことありますか?
ざっと挙げてみましょう。
1.ネットショップを訪れる
2.ざっくりと商品を選ぶ
3.気になる商品の説明を読み買う気が上昇してくる
4.その商品の値段を確認する
5. 商品のサイズや色や数量を選びカートに入れる
6.購入画面に入る
7.支払い方法を確認する
8.配送料金を確認する
9.個人情報や配送先を入力する
10.決済方法を入力する
11.到着希望日時を入力する
12.購入商品の最終確認をする
13.確認画面に移行する
14.購入を確定する
15.注文確定メールを確認する
1回で決めて買ったと過程して、15アクションもあります。
実際には、1の前に「検索」もありますし、4の後に「別の店で比較」というのもあります。
なので、実際のアクションは この3~5倍以上になるでしょう。
ネットショップで『売れない』という状況は、1~15のアクションの中で、どれかに問題があるからなので、そこを改善しなければならない訳です。
例えば・・・
1の「ネットショップを訪れる」人が少ないのではないか?
2の「ざっくりと商品を選ぶ」のが難しい構造になっていないか?
3の「商品の説明」で「買いたい」と思わせていないのか?
といったことを再検証する必要があります。
ネットショップで「売れた」というのは、お客さんが「14 購入を確定する」をした場合です。
その前段階としては「5 カートに入れる」が「仮受注」みたいなものなので重要になりますね。
『お客さんは、なぜカートに入れないのだろう?』
これを考えてみる事が改善の第一歩です。
「わからない」という方は、私の持論でもある
『答えはお客様が持っている』を実践してみると良いでしょう。
つまりは「ユーザーに尋ねる」という事です。
固定概念は損しまっせ!
2014/11/01 | ネットショップ・Eコマース
最近、いろんな地方で初対面の方に
「ブログ、読んでますよ」 といわれ・・・
二言目には
「最近、止まってますよね?」 と言われます(汗)
今日は、所要まで30分 時間が空いたので、つらつらと思ったことを書こうと思います。
では本題・・・
人間という生き物は無意識のうちに
「○○は△△である」 というレッテルを貼って生きていきます。
しかし、それは、物事のほんの一部分でしか無い場合が多い・・・。
有名な例えが
『円錐は、横から見れば三角だけど、上から見れば丸』
というものです。
しかし、固定概念という眼で見てしまうと
「円錐は三角だ!」
というふうにしか見えません。
そして、タチの悪いことに・・・
一度、「○○は△△である」とインプットされてしまうと、
修正することが困難で、他の部分には目がいかなくなってしまいます。
こうしたレッテル・固定概念というものは、
それまでの自分の経験から体得したものだったり、
自身の価値観から来るのですが・・・
これら「固定概念」あるいは「既成の価値観」は、
物事を見るのに結構足かせになるんですよね・・・。
例えば 「セミナー」のような学習・・・
学習をするとき、そこに固定観念や思い込み・・・
先入観に囚われていると インプット効果が極端に低下します。
しかし人間は必ず「固定概念や思い込み」を持っています。
なぜなら、人は・・・
「自分の周囲の環境で起こっている慣例的な事象を、
自分なりの解釈で 標準化してしまう」
からです。
そして、多くの場合
「○○は△△せねばならない」
「□□は××すべきである」
といった思考・思想を保有します。
これらの厄介なところは
『何の検証もせずに 思い込みを取り入れてしまう事』
にあります。
そして多くの場合・・・
それらは頑固に知識として永住しようとするのです。
検証もしないで真実性に欠ける固定観念を挟むと・・・
自分が何かを思考する際に、既にフィルタがかかってしまって、
新たな知識をインプットする際の障害となったり、
柔軟な思考が出来なくなります。
先日も、某 セミナーに参加された 初老の男性・・・
(どこかの中小企業の経営者のようですが)
この人がweb上で発信する日記を拝見すると、
「固定概念」の塊のような方で・・・
「自身の価値観以外は全否定」 という・・・
まさに柔軟性に欠ける 固定概念の権化のような方で (笑)
質問内容も 発言も・・・すべて ズレてました。
この方は 高学歴らしく・・・
プライドも相当 高い方のようです。
後日、 Webで公開されていた日記を 拝見すると
そのセミナーの講師の先生に対する批判を
2日にわたって書いておられました。
いちおう
「分析」⇒「判断」⇒「推理」⇒「結論」
といった(一見)論理的な思考で書かれていましたが、
内容にかなり 無理があるし、
そもそも・・・ズレてました(笑)
まぁ、これほど酷い人は滅多にいないにしても
「論理的思考が出来る能力があるのに、案外・・・損をしてしまっている方って多いのでは?」
と、自分自身を見つめ直し、他山の石 として 反面教師にする意味も含めて感じた次第です。
論理的な思考で有名なのは、
高校の教科書にも載っている
①演繹法
②帰納法
③弁証法
がありますね。
●演繹法
<観察事項をもとに結論を引き出す方法>
例)
・全ての人間は、いつか死ぬ。
・ソクラテスは人間だ。
・だから、ソクラテスはいつか死ぬ。
●帰納法
<多くの観察事項から類似の点をまとめ上げることで結論を引き出す方法>
・ソクラテスは、死んだ。
・ブラトーも死んだ。
・彼らは共に人間だ。
・だから、人間は全員いつか死ぬ。
先述の初老の経営者と マトモにお話した事がないので、
彼が演繹法の脳なのか、帰納法の脳なのか・・・は
まったく解りませんが・・・
実は 落とし穴があるのです。
というのは、「固定概念による偏った価値観」 によって、論理が飛躍しがちになってしまうのです。
例えば・・・
円錐は三角である。
広島で見た円錐は三角だった。
大阪で見た円錐は三角だった。
北海道で見た円錐も三角だった。
ワシの見た円錐は、やはり全て三角だった。
だから、円錐は三角なんじゃ!
となってしまうのです。
つまり、物事を知ろうとする際には、
どんな立派な論理的思考を持っていたとしても、
「固定概念」がすべて台無しにしてしまうのです。
私は、哲学をちゃんと勉強した人間ではありませんが、
理系出身の私でも「ヘーゲルの弁証法」だけは鮮明に覚えています。
●弁証法
弁証法は、ある命題(テーゼ)に対して相反する命題(アンチテーゼ)を立てる、と言うところから始まります。
例えば・・・
「Aという手法はSEOに無効である」を「テーゼ」として立てます。
すると
「Aという手法はSEOに有効である」が「アンチテーゼ」となります。
ヘーゲルの弁証法では
この両方(テーゼ・アンチテーゼ)の命題を
否定せず肯定もせず、
お互いに引き立てあいながら、より高次の結果を求めます。
この行為を「アウフヘーベン」といい、得られた結果を「ジンテーゼ」と言います。
ご興味のある方は、こんな本がオススメです。
使える弁証法 ヘーゲルが分かればIT社会の未来が見える
/ 田坂広志 【単行本】
今回は、ちょっと脈絡のない文章になってしまいましたね。
早い話が・・・
「個体概念は 損ですよ」
という与太話です(笑)
老舗の商売人が、一番大切にするもの
2014/06/27 | ネットショップ・Eコマース
長期出張をしていまして・・・久々の投稿です。
先月、「羊羹の元祖」として有名な、創業550年の老舗和菓子メーカー「駿河屋」が民事再生法に基づく再建を断念し、事業を停止しました。
「駿河屋」は室町時代中期の寛正2年(西暦1461年)に木曽源氏の一門の出である岡本善右衛門が、京都 伏見に「鶴屋」の屋号で創業。
江戸時代初期の元和5年(西暦1619年)に 徳川頼宜が紀州(和歌山県)に国替えになった際、5代目 岡本善右衛門の「鶴屋」が紀州徳川家の御用菓子司に任命されたのに伴い、紀州に御用本店を、京都 伏見には総本家を設置。その後、練り羊羹(ようかん)の製法を確立。
貞享2年(西暦1685年)、第五代将軍 徳川綱吉公の娘の鶴姫が、紀州徳川家に嫁ぐ事となり、姫様と同じ名前の屋号は良くない・・・という事で、元禄2年(西暦1689年)に「鶴屋」は 徳川家所縁の駿河国にあやかって、屋号「駿河屋」と改めました。
そんな「名門の老舗和菓子屋」である「駿河屋」が、倒産した訳です。
私の専門は「ネットショップの家庭教師」であるとともに「老舗流“のれん”経営」も専門領域ですので、非常に興味深いニュースです。
また、個人的には 私自身も「伏見の老舗」ですし、新婚時代に、この駿河屋 発祥地である京都・伏見の 駿河屋 創業家が所有するマンションに住んでいましたので、複雑な心境です。
「駿河屋」が法人として設立されたのは昭和19年。
昭和36年には東証・大証2部に上場し、平成4年の売上高は60億2500万円に上りました。
しかし平成17年、「実態のない約11億円の第三者割当増資で法人登記に虚偽を記録させた」という架空増資事件により、社長らが逮捕され、東京と大阪の両証券取引所で上場廃止となり・・・
とうとう、今回の事業停止となりました。
様々な記事には「のれんを守るため、架空増資で上場廃止を免れようとした」と記載されていますが・・・
新聞記者は「のれん」というものが何なのか、全く解っていませんね~。
老舗の経営は基本的には「信用」が第一で、それを代表する言葉が「のれん」というものです。
似た言葉として「ブランド」がありますが、「のれん」と「ブランド」は全く異なるものです。
「ブランド」とは西洋的な発想から来ており、もともとの語源は「所有している牛の焼き印」から来ています。
つまり「識別記号」から端を発しており、「競合相手の製品やサービスと差別化すること」を意図した「社名・製品名・ロゴマーク・キャラクター・ジングル・パッケージ・スローガン」を指します。
ですから「ブランド」は「差別化・識別された所有物」です。
しかし、「のれん」の語源は「寺の間仕切りに使われていた暖簾」が語源。その後、武士の旗指物になり、商家の暖簾になり、「信用の証」になりました。
「のれん分け」という言葉に代表されるように「のれん」は1家の所有物ではなく「商いを行ってきた信用と歴史」の証なのです。
「駿河屋が倒産した理由」については、様々な新聞記事や専門家のブログで「上場したからだ」「信用を失ったからだ」など書かれているので、私はあえて その事には触れません。
私が今回、述べたいのは
「老舗の商売人が一番大切にするもの」です
それは・・・「人」です。
老舗の商人は 「人」 を大切にしています。
「人」とは、
「買ってくれる人」 と 「そこで働く人」
そして・・・
「売ってくれる人」
です。
老舗は、長い歴史の中で、大きな危機に何度も遭遇しています。
こうした危機を克服するには、「力を貸してくれる人」 が、どれだけいるか(確保しているか)
・・・で決まります。
商売をしている人は
「買ってくれる人」を大事にする・・・これは当たり前です。
ところが、「そこで働く人」 を粗末にしていると・・・危機の際に 総崩れになってしまいます。
老舗は、それに加えて
「売ってくれる人」 を大切にします。
なぜなら、取引先(仕入先)は、会社を従業者と共に支え、成長させてくれる 「大切なパートナー」 と捉えているからです。
取引先との信頼関係が築けていないと、到底 パートナーにはなってもらえません。
よく、取引先(仕入先)を粗末にあつかう会社(経営者や従業員)を見かけますが・・・
長期的に成長する可能性は、極めて低いといえるでしょう。
商売の原点は「物々交換」です。それが、金というものが生み出され、「金」で「価値」と交換をするようになりました。
つまり「相互の価値交換」なのです。
そのことを、老舗は叩き込まれているのです。(今風にいうと、ステークホルダーですね)
その 「相互の価値交換」 の奥にあるものが 「信頼関係」 と 「信用」なのです。
互いの 「ゲゼルシャフト」という緊張関係の、さらにその奥にある「ゲマインシャフト」が築ける関係・・・かもしれません。
だから「買ってやっている」という態度は取らないのです。
ですから、私は
取引先のことを平気で「ギョウシャ」と呼ぶような経営者(または従業員がいる会社)や、
【どうしてプロに無償で仕事依頼しちゃダメなのか – 原価のある、時間】
に登場するような人は・・・
「あ・・・商人失格だね・・・」
と思って、一切お取引をしないのです。
「売れない」ネットショップさんの3つの大きな基本的理由
2014/03/20 | ネットショップ・Eコマース
最近、忙しいことを理由に、ブログをサボってました。ごめんなさい。
明日から3日間、マーケティング研修のために上京しておりまして、
いま都内のホテルで書いてます。
当社(株式会社ハイフィット)は、現在
「ネットショップの店長さんの家庭教師」
を中核ビジネスとして営んでおり・・・
主に「後発店のネットショップの店長さん」
が中心顧客層です。
今回は、「ネットショップの新米店長さん」
(ECの運営初心者) にありがちな
「売上が伸びない」理由 について書きたいと思います。
◆“eコマースだから儲かる” なんて事はない!
まず最初に申し上げるのが
「ネットショップだから売れる」
「ECだから儲かる」
なんていう“上手い話”などは無い!
という事です。
私は、自分自身が吉村酒造という、酒造会社の蔵元(経営者)出身で、
「既存流通」 (メーカー ⇒ 問屋 ⇒ 小売)
「実店舗での販売」 (主にデパート)
「紙通販」 (通販会社・自社DM)
「ネットショップ」 (自社サイトでのネット通販)
を 全て経験してきたから、申し上げますが・・・
ネットショップも「商いの一種」 です。
なので、
売上(利益)をあげていくためには、
様々な要素があります。
「売れているネットショップ」は、たしかに存在します。
外野から見たら、一見華やかで
「ラクして儲けているな~」 「パソコンだけで売れるなんて」
と傍目からは見えるかもしれません・・・。
しかし、裏では 実に様々な分析・対策を繰り返しているのです。
◆売れない・売上が伸びない基本的な3つの理由
【1】 お店の理念が無い
「お店の理念」というと・・・難しく思えてしまうかもしれません。
本当にザックリと、極めて大雑把に言ってしまえば
「店のコンセプト」です。
そんなに難しいことではありません。
「コンセプト」とは、早い話が
『あなたの考え』
『あなたの想い』
です。
私は「ネットショップの家庭教師コンサル」を行う際に、
こういう事を お聞きしています。
「なぜ、そのお店を始められたのですか?」
「どんなお店にしたいのですか?」
「そのお店を通じて、誰に喜ばれたいのですか?」
「そのお店を通じて、何を提供したいのですか?」
「そのお店を通じて、どのように提供したいのですか?」
・・・こういった『お店に対する、考えや想い』を、
箇条書きでも良いのでまとめたもの・・・
それが
『お店のコンセプト』
なのです。
どんなお店であろうと、大事なことは
『誰に』
『何を』
『どのように』 提供するか・・・
です。
「誰に」は、「どんなお客さん」か (具体的にイメージ)
「何を」は、「商品」や「サービス」 (提供する価値、ベネフィット)
「どのように」は、方法です。
だから、私はヒアリングさせてもらった際に
お店の経営者さんや店長さんに「コンセプト」が無く
「儲かりそうだから・・・」
「EC(eコマース)には可能性がありそうだから」
という理由だけでネットショップを始められた方には、
ネットショップの家庭教師は、お断りする事にしています。
だって、コンセプトの無いお店は、
自分の店は、判断基準のないお店だ・・・と言ってるようなものですし、
お手伝いするにも、仮説すら立てられないのですから。。。
【2】 「誰に」売るかを決めていない
『誰に』 『何を』 『どのように』 提供するかを考える上で、
特に、後発の小規模なネットショップは・・・
順番としては、まず「誰に」を決めないといけません。
例えば、お酒を売るにしても・・・
「お酒好きな人」なのか 「お酒好きに贈る人」なのか
で変わりますし・・・
「お酒好きな人」でも、
男性か女性か、20代か30代か、
独身か既婚者か、地元の人か全国の人か、
お金持ちか中流層か・・・
選択肢は、たくさんありますよね?
まずは、『誰に』 を明確にイメージして、決めることが肝要です。
【3】 商品力が無い
「商品力」とは・・・
「その商品が、類似の商品と比べて魅力があるか」
ということです。
競争優位性ともいいますね。
「競争力をつけるためには、やはり安売りをしなければいけないのか・・・」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも・・・よく考えてみてください。
「ジャパネットたかた」さんは、本当に安いのでしょうか?
「価格.com」で比較すれば解りますが・・・
大体の製品が、決して最安値でもないですよね?
ではなぜ、売れてるの?
という事ですが・・・
僕は
「お年寄りには、たかたさん のほうが良いから」
だと思っています。
実は、『ジャパネットたかた』さんの
中心顧客層は、60代なんですね。。。。
40代以上で実に8割の顧客層を占めているというから
「お茶の間の、浅草のお店」といっても良いかもしれません。
そして、甲高い声で、真面目な“高田明 社長”の、
あの “わかりやすい説明” は
「プレゼンテーションのお手本」 のようなものですよね。
しかも、
「ネットでの注文がわからない」
「老眼でパソコンやスマホは長時間見れない」
という年配者であっても・・・
「テレビを見て、納得したら、電話をかけるだけ」
という手軽さ。
これが、ウケている要素の大きな1つだと思っています。
ほかにも、僕は 『ジャパネットたかた』さんで、実際に何度も買い物をして
この会社の強さに気づいた点があるのですが・・・
その話はいずれしますね。
話が「2」に戻ってしまいまいましたが・・・
結局は 「何を」からスタートしても、
絶対に「誰に」を考えねばならなくなるのですよね。
話を元に戻して、単純に「商品力」で考えると、
「ライバルと競争をした時に、ライバルに勝てる要素があるか?」
ということです。
たまーに・・・ですが
「実店舗で人気がなくて、売れ残った在庫が山のようにあってさ・・・これネットで売りたいんだけど」
なんてご相談をいただきますが・・・
ハッキリ申し上げて
「お客様は、ネットであっても、いらないものは、いらないから、買いません!!」
そんなに甘っちょろいものではない訳です。
では、型番商品・既製品の場合ですが・・・
取り扱っている物は、どこの店でも同じものです。
そこに、どうやって差別化を図り、“モノ”を買ってもらうか?
というのは『ジャパネットたかた』さんにも学ぶべき点は数多くありますね。
あと、私が愛読している 「ネットショップ経営」 というFacebookページに
「伝える技術」という記事がありますので、ご参考になさってください。
ちなみに、先日・・・
東京大学で行われた日本電子商取引事業振興財団(J-Fec)主催のセミナーで
お話しさせていただきましたが・・・
第二講演のドライブマーケット 岡本さんの講演を聞き・・・
「型番を売る店は、こんなにも大変なのか!ここまでやっているのか!」
と感服しました。
普通の人は、真似しちゃぁいけません・・・というか、出来ません (苦笑)
以上、3つの大きな理由のほかにも、いくつも要素はあります。
この続きは次回に・・・
追伸: 私が所属しております 一般社団法人イーコマース事業協会(ECの商工会です)で、
2014年4月12日(土)に、12周年の記念イベントが開催されます。
一般の方でも参加できますので、宜しかったらお越しください(要事前予約)
ネット通販の世界でも専門店が無くなる?
2014/02/06 | ネットショップ・Eコマース
今日は、新幹線の中から投稿することにしました。
私は、もともと吉村酒造という酒造会社の蔵元ですから、
毎月のように新幹線で出張していました。
今から17年前の1997年に実家の吉村酒造に入り、
最初に担当したのが「通信販売部門」と「広域量販部門」でした。
「通販部門」は・・・
「大手通販会社や中堅通販会社などに販売」 する BtoB
「カタログで顧客に販売」 する BtoC、
そして、当時は珍しかった・・・
「ネットショップで販売」 する BtoCでした。
「広域量販部門」は・・・
「卸問屋に主力商品を大量に販売」 するBtoB・・・
主に、卸問屋への数字の“お願い”と、
問屋の先の 小売(酒販店)を回って挨拶する“ルート営業” でした。
あとは、
「デパートへの販売」
も担当しました。
主な内容は、
「デパートのカタログ販売の企画」 と・・・
「催事での試飲宣伝販売」でした。
試飲宣伝販売とは、
GWや、お盆や、年末に、
デパ地下の酒売り場で法被を着て、
小さいコップにうちの酒を入れて、
来店客に飲んでもらい・・・
接客して、買ってもらう・・・
というスタイルの販売方法です。
だいたい、各祭事は1週間ほどでした。
マネキンの女性と2人で行うのですが、
うちの会社は
「酒販売のカリスマ」と呼ばれた
Hさんという女性のマネキンさんが担当で・・・
Tデパートでも、Dデパートでも、
Hデパートでも、Iデパートでも・・・
いつも、このHさんでして、様々なことを教わりました。
今回のテーマとは外れますので、Hさんの話は
いずれまた・・・
さて、本題に戻ります。
当時の吉村酒造の売上比率は、
圧倒的に「広域量販部門」が高く、全体の95%でした。
そして、卸の先の「小売業」のお客様も、
大半が「酒販店さん」で・・・
スーパーやコンビニの比率は、皆無に等しかったです。
更にその9年前の1989年から
酒販免許の規制緩和が徐々に開始され・・・
スーパーやコンビニなどの大手小売業が急激に市場シェアを伸ばしていき・・・
ちょうど、私が吉村酒造に入った頃は
小売サイドの構造変化が卸売に影響を及ぼし始めた頃で、
「酒類問屋の合併・淘汰」が開始された頃でした。
そんな中で、吉村酒造の「通販部門」は、急激に売上高を伸ばし始め、
3年後の2000年には
月商も、3000万円まで伸ばしましたが・・・
売上の大部分を占めていた 「広域量販部門」は、
年々 無残な状態でした (苦笑)
1998年頃から・・・
ある地域に「大型ショッピングモール」や「ディスカウントストア」が出来ると・・・
吉村酒造の主な得意先である「近隣の酒販店さん」は
あっという間に町から次々と消えていきました。
その町の商店街からは「酒屋さん」だけでなく
「魚屋さん」「八百屋さん」「肉屋さん」「米屋さん」
「金物屋さん」「本屋さん」「自転車屋さん」
など専門店が消えていきました。
そんな中・・・商店街で生き残っていたのは
「床屋さん」「眼鏡屋さん」「パン屋さん」「花屋さん」
でした。
つまり
「特化型で利益率が高い商売」か、
「特定のお得意さんを抱えている店」か
「職人が作った商品を販売」
しているような商売が生き残っていました。
近年、資本力の大きい大手企業が巨額の投資を行い、
本格的にEC(イ―コマース)に参入するケースが増えてきています。
典型例はAmazonですが・・・
最近ではセブン&アイ・ホールディングスがニッセンの買収を発表したり、
イオングループが全社をあげてECに注力すると表明しました。
中小企業が多い イーコマース業界・・・
特に「パパママ・ショップ」が多い ネットショップ専業店は、
これから大企業と同じ土俵で戦わねばならなくなった訳です。
今までは、「通販」の中でも 「ネット通販」は大手企業が本格的に参入しない・・・
いわゆる「隙間」産業でした。
ところが
ネット通販も、17年前に私が目にしたことと
同じような状況が起こり始めているのです。
では、「中小のネットショップに未来は無いのか?」というと、
そうでもありません。
淘汰の大波の中でも生き残り、
今も立派に商売を営んでいらっしゃる
酒販店さんが何軒もいらっしゃいます。
私がルート営業で酒販店さんを回っていた頃・・・
2500店の酒販店を担当していたのですが、
「あ、この酒販店さんは今後も残るだろうな」
と、私が(勝手に)思っていたお店が
43店舗ありました。
16年経った今でも、
34店舗は元気に商売を営んでいらっしゃいます。
なぜ、当時 私がそう思ったのか?というと・・・
それらの店舗さんには
「ある共通点」があったからです。
それは
(1)お店のブランディングに力を注いでいた。
(2)優良顧客・ファン・リピート客を抱え、そして客を育て続けていた。
(3)顧客層や商品を絞り込むと同時に「うちの店が選ばれる理由・強み」を明確に持っていた
(4)店主さんが若いか、または 店主の後継者に「店のイズム」がしっかりと継承されていた。
の4つです。
実は、私が予測していた「43のお店」のうち、
「9つのお店」は、廃業したり倒産していまいました。
この9つのお店のうち、
身体的なご不孝により廃業されたお店(4つの店)
を除く
5つの店についてですが・・・
後から考えてみると、これまた「ある共通点」がありました。
それは・・・
(A)周りの同業他社が苦戦している中、自分の店が好調なのを自慢していた。
(B)他人から何か学ぼうとする姿勢や、学び続けようという姿勢がなかった。
の2つです。
つまり 「自分の商売の考えや手法は完成された」
・・・と、慢心なさっていたのでしょう。
日露戦争で勝った日本は、
慢心して進歩という事を疎かにし・・・
その結果 アメリカに大敗しました。
いま成功なさっておられるネットショップさんの中にも
(A)(B)のような方を散見します。
「常在戦場」の心得・・・大事ですよね。
消費税が増税される前に、ネットショップが行うべき4つの事項
2014/01/28 | ネットショップ・Eコマース
いよいよ、2か月後の2014年4月1日に消費税が8%に引き上げられます。
景気動向によって判断するそうですが、
1年半後の2015年10月1日に10%への引き上げも予定されています。
これに伴って変えなければいけないのが「金額表示」ですね。
特にネットショップは必須の「消費税対応」ですが、
案外・・・
認識が甘い方もいらっしゃいますので、以下に対応を記します。
【1】外税表示も可能!ただし期間限定
2004年4月に義務付けられた「内税表示」(消費税額を含めた総額表示が義務づけられた)
ですが、
今回の消費税増税は、短期間に税率が変わることから、
「転嫁対策特別措置法」によって「外税表示」が特例として認められます。
※ただし、2013年10月1日から2017年3月31日までの間です。
【認可されている表示例】 ※本体価格1,000円の場合
・1,000円+税
・1,000円+80円
・1,000円(税込1,080円)
・1,000円(税抜)
・1,080円
・1,080円(本体価格1,000円)
なお 「外税表示」にした場合、
税表示部分を極端に小さな文字や背景色と似た文字色で表示することは違反
になりますのでご注意ください。
国税庁の下記ページでは、経過措置に関する事例や
Q&Aも記載されておりますのでご参考下さい。
▼国税庁 消費税法改正のお知らせ
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/201304.htm
【2】要注意! ネットショップの修正(5つの手順)
ネットショップは、サイトで直接売買が行われるという性質上、
特に注意が必要です。
1:表示方法をどうするか?決定しましょう
先ほど書いた【1】のなかのどれで表示するかをまず決めましょう。
2:最終注文受付時間の決定
消費税の課税は「注文した時間」ではなく、「売上確定時間」が適用されます。
ネットショップの場合は「発送完了時」となりますので、
発送作業が 2014年3月31日 23時59分を超えると税率が変わってしまいます。
ですから、税率や表示金額の設定を変更するかについて、予め決めておく必要があります。
3:消費税についての告知
定期購入や、予約販売などは消費税について
「いつまでの注文が、いくらになるのか」という事が大事ですので、
予め告知しておく必要があります。
4:価格表示変更箇所の洗い出し
ネットショップの場合、システムの変更が必要な箇所としては、カート・決済の部分です。
こちらはプログラム修正や設定ボタンで一括変換が可能な場合が多いです。
問題は「システムと連動していない部分」です。
例えば「商品ページ」「サムネイル」などに
画像で価格を入れてしまっている場合は手作業での更新が必要ですので、
サイトの隅々までチェックしましょう。
5:基幹管理ソフトの変更
売上管理を行っている「販売管理ソフト」や
「会計ソフト」の税率変更もお忘れなく!!
2014年3月31日まで
2014年4月1日~2015年9月30日
2015年10月1日以降
で税率をそれぞれ切り分けて反映させることが必要です。
【3】思わぬところに価格変更が?
本来事業者にとって消費税は『預かっているだけのお金』ですので、
増税があっても増税分以上の負担は発生しないはず・・・
本来はその筈なのですが、実際にはいろいろと影響があります。
ネットショップの場合でいうと、例えば商品の配送料。
消費税が上がれば当然、送料も増税分が上がりますし、
消耗品や梱包資材なども上がります。
よく 「増税直前に資材を買い込んでおこう」
と発注される方もいらっしゃいますが、よく考えて下さいね!
注文すれば翌月には確実に請求書が来ますから。
・・・資金繰りも考えないといけませんよね。
あと、「資金は大丈夫!」と買い込み発注された場合でも、
他のショップからの注文が集中していて、
いつもよりも納期が遅れたり・・・
下手すると在庫切れ!ということにもなりかねません。
増税直前ではなく、
その1ヶ月くらい前に手配をしておく
くらいの余裕は持っておくべきでしょう。
【4】言い方が大事! キャンペーンの告知
「消費税転嫁法」により、2014年4月1日以後、
「明らかに消費税上昇分を値引きする旨をうたうセール等」
は禁止されています。
但し、明らかに増税分であると認められない表記の場合は
キャンペーン告知等も認められていますので、
該当時期でのキャンペーンサイト制作、及び開催時にはお気を付けください。
【禁止される表示例】
×「消費税は当社にて負担」
×「消費税8%還元セール」
×「消費税相当のポイント付与」
【表記できる表示例】
※「消費税」の文言を使用しないことが前提
○「生活応援セール」
○「3%値下げ」
○「8%還元セール」
新手の偽通販サイトの被害が急増していますので、ご注意ください!
2013/11/29 | ネットショップ・Eコマース
前回、「3回で お馴染みさん・10回で ご贔屓さん」
の話をすると申し上げておりましたが・・・
ここ数年、被害が広まっている「偽通販サイト」問題について
最近、新手の被害が急増していますので・・・
今回は急きょ話題を変更して
皆様に注意喚起をしたいと思います。
従来の「偽装通販サイト」は、存在しない会社の
サイトで、日本語が変だったりしましたが・・・
最近は「本物のサイトをコピーした偽装サイト」が
現れるようになりました。
タチが悪いのは、店名も、商品も、連絡先も
本物と全く同じ・・・という点です。
つまり、「偽装サイトの犯人は、金を騙しとる」けど
クレームは、「本物のサイト」に来る・・・のです。
これら「偽通販サイト」は、本店サイト(独自ドメインサイト)を
コピーした「偽装ネットショップ」 が確認されていましたが・・・
最近は、ショッピングモール内のサイトであっても、
「偽装コピーサイト」による被害が出没しています。
以下に 『被害例』を書きます。
被害例1 |
鈴木さん(仮名)が、ネットショップ(A楽器店)でトランペットを購入したが、
商品が届かなかったために、記載されている「A楽器店の連絡先」に問い合わせたら、
A楽器店は 鈴木さんからの注文を受けていなかった。
●実は、鈴木さんが見たネットショップは、
「A楽器店が構築したネットショップ」ではなく、
「別人が構築したネットショップ」(B)だった。
●「B」は、ネットショップである 「A楽器店」に見せかけ、
消費者から注文を受けて、振り込ませ・・・
実際には商品を発送せずに代金をだまし取る「偽サイト」だった。
【補足説明】
偽サイト(偽装ネットショップ)である「B」は、
本物のサイト(A楽器店)と全く同じコピーのサイトで、
店舗ロゴ、デザイン、商品画像、説明文、
連絡先の住所や電話番号も全く同じ。
『A楽器店』 と 『B』とが異なる点は、振込先。
「A楽器店」は、支払方法がクレジットカード、
代引き、銀行振り込み となっていますが・・・
「B」は、支払い方法が銀行振込のみ。
「B」で商品を注文して、記載されてあった銀行振込口座に
振り込んだ鈴木さんには、商品が届かず・・・。
鈴木さんは「おかしい」と思い、
「B」に記載されてある連絡先(A楽器店)に
「商品が届いてないよ」と電話をかけると、
A楽器店側には注文のデータ自体がない・・・。
A楽器店は、「注文データの加工ミス」を疑うものの、
結局理由が見つからない・・・。
振込履歴を確認したが、そんな振込はない。
振込先を聞くと、A楽器店の振込先ではない
まったく知らない振込先(Bの振込先)だった。
【経過】
●「A楽器店」は「B」の存在を知り、
「B」にメールでの警告を行ったが、なしのつぶて・・・
●「A楽器店」は警察に相談。
●「B」の記載していた口座は、
日本人が外国人に売却した銀行口座だった。
●「B」が「外国人による詐欺サイト」であることが判明し
「B」の口座は凍結されたものの、警察からは
「現段階では銀行口座凍結しかできない」と言われた。
なぜなら、偽サイトは海外のサーバーにあり、
日本の警察が閉鎖させることはできないためだった。
被害例2 |
田中さん(仮名)が、ネットショップ(C鞄店)でブリーフケース商品を購入したが、
商品が届かなかったために、記載されている「C鞄店の連絡先」に問い合わせたら、
C鞄店は、田中さんからの注文を受けていなかった。
●田中さんが見たネットショップは、
「C鞄店」が構築したネットショップではなく、
別人が構築したネットショップ(D)だった。
●「D」は、「C鞄店」に見せかけ、消費者から注文を受けて、
パスワードやクレジットカード番号、個人情報などを盗み取る
「フィッシング詐欺のための偽サイト」だった。
【補足説明】
フィッシング詐欺サイト(偽装ネットショップ)である『D』は、
本物のサイト(C鞄店)と全く同じコピーのサイトで、
店舗ロゴ、デザイン、商品画像、説明文、連絡先の住所や電話番号も全く同じ。
「C鞄店」も「D」も、支払方法はクレジットカード、
代引き、銀行振り込みとなっており、
銀行振込先は、「C鞄店」と同じ振込先が
記載がされていた。
唯一異なったのは、「クレジットカード払い」の際の画面。
田中さんは「D」で、クレジットカードで支払いを
行おうと、画面を進むと、
「不正使用防止のため」と称して、カード名義人、カード番号、有効期限、
暗証番号等を入力する画面が現れた。(C鞄店には現れない画面)
田中さんは入力して注文。
でも、田中さんには商品が届かない。
田中さんは「おかしい」と思い、
「D」に記載されてある連絡先(C鞄店)に
「商品が届いてないよ」と電話をかけると、
「C鞄店」側には注文のデータ自体がない・・・。
「C鞄店」は、「受注システムの不具合」を疑うものの、
結局理由が見つからない・・・。
田中さんは「クレジットカードの入力ミスかな?」と思い
別の店でブリーフケースを購入。
しかし、数ヵ月後・・・
田中さんのもとにクレジットカードの明細書が届いてびっくり!
身に覚えのないクレジット購入明細が数10万円もあった。
【経過】
●「C鞄店」は、「Dに商品を注文した消費者」からの
問い合わせが続いたことから、「D」の存在を把握。
警察と弁護士に相談。
●Dが「フィッシング詐欺の偽サイト」であることは判明したものの、
「現段階では何も出来ない」と警察からは言われた。
●なぜなら、偽サイトは海外のサーバーにあり、
日本の警察が閉鎖させることはできないためだった。
対応策 |
これら『偽装ネットショップ』は、
簡単に作れてしまう時代になってしまいました。
昔の詐欺サイトのように『変な日本語』ではなく、
完全に「まるごとコピー」で、一部分だけ変えるという
巧妙な方法に進化してしまったからです。
詐欺にあった人だけでなく、
コピーされてしまったネットショップにとっても
たまったものではありませんが・・・
このような詐欺を 100%の確率で完全に防御できる対策というのは、
今のところ存在していません。
もし、このような詐欺サイトが出没してしまった時の対策としては・・・
(1)サーバー管理者をAGUSEで確認
(サーバーが海外か日本かだけでも知っておくと良いでしょう・・・)
(2)警察に相談し、場合によっては刑事告発
(全国のサイバー犯罪相談窓口一覧)
(3)正規サイトのURLをお客さんに確認してもらうよう、ページ上で注意喚起。
(4)Googleに対して、違法コンテンツを申し立て。
検索結果に出ないようにしてもらう。
(5)Googleに対して、著作権侵害を申し立て。
検索結果に出ないようにしてもらう。
※ 詐欺サイトのコンテンツそのものを削除するわけではなく、
あくまでもGoogleのインデックスから削除されるだけです。(←でも一定の効果はあります)
(6)Yahoo!JAPANに対して、著作権侵害に関する違反申告。
(7)フィッシング対策協議会に相談。
ガイドラインに沿って対応する。
最後に |
いずれにせよ、大切なことは、偽サイトによって
企業の信用も低下してしまいますので、
速やかに対応策を講じて、
被害の発生・拡大を最小限にとどめるよう努めることです。
対応が遅れることは、顧客のみならず
企業自身の信頼も大きく損なわれることに
なってしまうからです。
ネットショップ運営に活かせるヒントは、京都の祇園にある?
2013/11/20 | ネットショップ・Eコマース, マーケティング
EC業界は、昔までは「アクセス数を稼ぐ」ことに注力している方が多かったです。
一昔前に流行った
「アクセス数を増やす狙いで実施した プレゼント企画」
が、その典型例ですね。
プレゼントに応募してきた人達が「顧客として価値が無い」
とまでは言いませんが・・・
決して、歓迎すべき顧客層ではありませんよね。。。
昨今では「アクセス数を競い合う」よりも
「顧客として意味のある層の人とのリレーションの構築」
が重視されてきていますが・・・
いまだに
「アクセス数を上げなきゃ!」
と、一所懸命になっておられて・・・
肝心な事が出来ておられない方を散見しますので、
今回はその話題を書きます。
「リレーション」 とは・・・
「関係」「つながり」です。
最近、顧客関係性強化のことを
【CRM】Customer Relationship Management
などと、格好よく英語で言い始める風潮がありますが・・・
要は「おもてなし」です。
「おもてなし」の大きなヒントは、
京都の祇園にあります。
祇園は、400年以上続いている
「おもてなし商売の街」です。
私は(こう見えても?)
京都の老舗の蔵元6代目
でもあるので、
若い頃に 父に連れられて
祇園の花街で飲む機会が多かったのです。
京都に来られたお客様を接待する際、
父が「祇園」をセッティングしたときは
「あ、今夜のお客様は、VIPなんだな」
と察知したものです。
(父が他界してから行かなくなったので、もう10年以上 遠のいてますけど・・・)
祇園の花街には
「お茶屋」「置屋」
があり、
「女将」「芸妓」「舞妓」
という人がいます。
「お茶屋」は
お客をもてなす場所です。
お客の要望に応じて、
お座敷やお酒、料理、接待する人を準備してくれる
「エージェンシー」の様なものです。
「置屋」は
芸妓、舞妓を抱える「プロダクション・所属事務所」の様なものです。
お茶屋の
「女将」は宴会の演出家、
「芸妓・舞妓」はタレント
といったところでしょう。
ちなみに「舞妓」は修業段階で、レベルが上がると「芸妓」になります。
「お茶屋」は、
ヨーロッパでいうところの「クラブ」や「サロン」
といった感じで、客と花街の接点になります。
このお茶屋という場所は不思議なところでして・・・
メンバーシップを
決めるのは女将
なんです。
基本的に信頼関係が築けなさそうな人は、
いくらお金を払っても
相手をしてくれません。
メンバー表がある訳でもなく、
会員証がある訳でもなく、
メンバーになった人でも、
他に誰がメンバーなのかさえ解らない・・・
そんな所です。
そんな祇園の花街を代表する言葉が
「一見(いちげん)さんお断り」
です。
要は
「初めてのお客は受け入れない」
というシステムですね。
なぜ、こんなシステムがまかり通っているのか?
というと・・・
「花街の支払いはツケが原則だから、誰かの紹介でないと回収できないから」
とか
「好みのわからない一見さんだと、最高のおもてなしが出来ないから」
とか
「VIPが隠れ場で来る祇園の秘守性を守るために、身元不明者の出入りを制限するから」
など、
評論家などが、もっともらしく語っておられますが・・・
実際に以前、女将さんや芸妓さんに聞いたところによると・・・
「常連さんに、気持ち良く過ごしてもらうため」
だそうです。
要は
「得体の知れない “新規客”の獲得には走らず」
「“常連客” を 依怙贔屓(えこひいき)する」
というスタイルなのです。
つまり
「アクセス数は気にしない」
「リピート客との関係の維持が最重要」
という事です。
祇園は顔が見える小さなコミュニティーなので、こういった事が
400年も続いているともいえますが・・・
リアルの場がない
ネット通販でも、似たような関係は
つくれると思います。
昔、祇園の女将さんに教わった
『3回で お馴染(なじ)みさん』
『10回で ご贔屓(ひいき)さん』
という言葉もありますが、
この話の続きは、また次の機会に・・・。
ヤフー「eコマース革命」について考察
2013/10/15 | ネットショップ・Eコマース
こんにちは。ハイフィット社長の吉村正裕です。
今回の話題は「eコマース革命」です。
Yahoo! JAPANがEC事業における新戦略を発表し、
先週のEC(eコマース)業界は、その話題で持ちきりでした。
EC業者だけでなく、ユーザーも殺到し、
新規ストア出店希望数が、1日で(法人)約1万件、
(個人)1万6000件にのぼったそうです。
「Yahoo!ショッピング」は従来までは、出品企業から
出店料(初期費用2万1000円、月額費用2万5000円)と、
売上ロイヤリティ(売上の1.7~6%)を徴収していました。
ところが、ヤフー会長でもあるソフトバンクの孫正義社長が
2013年10月7日に「eコマース革命」として
「Yahoo!ショッピング」の上記の費用について、すべて無料化を発表し、
「2019年までに国内EC流通総額商品数で1位になる」とぶち上げた訳です。
国内のECモール最大手の「楽天市場」では、
初期登録費用として6万円、
月額出店料1万9500~10万円、売上ロイヤリティ2.0~6.5%
が必要で、
近年は半ば「アタリマエ化」していたので、余計に衝撃が走ったわけです。
今回の孫さんの発表で私が気になったのは
「どこで儲けるの?」
という事と、
「なぜ、今、eコマースのテコ入れ?」
の2点でした。
国内EC市場を見渡せば、昨今は、楽天とアマゾン という
2大巨頭が飛びぬけており、
最近のYahooショッピングは凋落傾向だったからです。
現時点では・・・
【楽天市場】
●出店数 4万 ●商品数 1億5000万点
【Yahoo!ショッピング】
●出店数 2万 ●商品数 8000万点
といった具合で、
Yahoo!は、知名度とポータルサイトの集客力があるとはいえ、
現状を打破するのはそれほど簡単とは思えない訳です。
しかも、出店利用料やロイヤリティを放棄すれば、
Yahoo!ショッピングの収益が激減する訳です。
しかし、孫正義 さん自らが登場して「革命」と宣言したのだから、
何か勝算があるに違いない。
孫正義 さんといえば
『孫の二乗の兵法』という言葉を生み出したほど、
「孫子の兵法」の使い手・・・
『孫子の兵法』の第七章:軍争篇に
有名な『迂直の計』というものがあります。
この迂直の計は、戦いの中で最も難しいであろう勝利への道を作り出す方法です。
『軍争の難きは、迂を以って直となし、患を以って利となすにあり』
現代語に訳すと
「回り道をしながら直進し、損をしながら得をする」
といったところでしょう。
Yahoo! は、もともとポータルサイトであり、
収益構造は「広告収入」が主体。
親会社のソフトバンクは今や「通信会社」です。
Yahoo!にしてみれば、
ECでの収益は微々たるものだから、
『ポータルサイトなので、広告収入を増やしていく』
という基本路線は変わっていない筈です。
ということは、
Yahoo!ショッピングの出店数や商品数を増加させると、
ポータルサイトたるYahoo!への広告が増える・・・という訳ですね。
まさに「損して得とれ」という訳でしょう。。
日本の BtoC EC(電子商取引) 市場規模は、
2011年の数字で8.5 兆円と伸び続けていますが、
EC の浸透を示す指標である「EC化率」は 2.83%・・・
つまり、小売業・サービス業において
ネット通販している割合は、3%未満なのです。
だから、
『孫さんのねらいはリアル店舗の掘り起しではないか?』
と勘ぐってしまう訳です。
それと、もう一つ。。。。
ソフトバンクは米国のスプリントを買収したのは
記憶に新しいところですが、
スマホ普及率が過半数を超える米国は、
リアル店舗による「オンラインストアの併設」が盛んです。
米国のトレンドを日本に持ち込んで戦いを有利に進める
という事を、昔から得意としている孫正義さんは、
この流れも当然視野に入っているでしょう。
という事を考えていると
「なぜ今、eコマースなの?」
という疑問も解ける気がしますね。