楽天市場に出店して失敗する店の3つの共通点 【その1】
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最終更新日:2015/05/07
楽天の特性
最近、楽天市場に出店して1年以内に「撤退を考えている」というご相談を受けることが多くなりました。
その1.経営資源の使い方が間違っている
~楽天市場に出店して失敗する店の3つの共通点~
① 経営資源を再認識しよう
- 「ヒト」・・・会社に所属する役員、社員、アルバイトなどの人材
- 「モノ」・・・会社が持つ製品、設備、備品全般
- 「カネ」・・・仕入れ、運営費、人件費など事業投資するための資金
これらは「三大(有形)経営資源」と言われています。
ほかにも「無形資産」というものがあり、「商標」「ノウハウ」「技術力」など、企業活動に必要な様々な資産を指します。
特にネットショップは、通信販売であるという特性から、「顧客名簿」は最大の資産です。
ところが、楽天市場は「外部リンク禁止」なので、楽天のお店から自社サイトへのリンクは禁止です。
よって、楽天市場の集客力を利用して自社サイトへ誘導は不可能という事になります。
リンクだけでなく、お客様に発送した商品に同梱するカタログにも、自社サイトへのURLを記載することも禁止です。
さらに、楽天市場で購入されたお客様は「楽天の顧客リスト」として扱われ「店舗の顧客リスト」としては扱われません。
購入客へのDM(ダイレクトメール)発送などの販促も出来ませんので、店舗は「顧客名簿」という最大の資産を得ることが出来ない仕組みなのです。
しかし、楽天市場の集客力は抜群で、自社サイトを運営するよりも 簡単に運営しやすい環境ということも事実です。
このメリットとデメリットを考え、経営資源の投資バランスを考える必要があるのです。
②「カネ」という経営資源が最重要
経営資源の中で最も重要なのは「カネ」だと私は思います。なぜなら、これが無くなれば会社はつぶれてしまうからです。
だから「会社の血液」とも云われていますね。
さて、楽天市場の担当者は「楽天市場での店舗の売上」でしかあなたのお店を判断できません。当然といえば当然の話です。
だから売上を上げるために「月商 いくらが目標ですか?」と尋ねてきて、「ならば 広告を打ちましょう!」「ポイントつけましょう!」「送料無料にしましょう!」「1,000円ポッキリの商品を作りましょう!」と勧めてきます。
「入ってくるカネ」は、売上ですが、当然ながら「出ていくカネ」もあります。
- 発送経費(梱包資材・送料・代引き手数料)
- 人件費、家賃、水道光熱費、通信料
- 楽天のシステム利用料
- ポイント付与料、クーポン
- アフェリエイト成果報酬
- メール配信料
- 広告費
売上からこれらを引いたものが「利益」ですね。
経営の基本は「入るを多く」「出るを少なく」なのですが、如何でしょうか?
③経営するのは店であって、楽天の担当者ではない
よくある話が、
「楽天市場の担当者に広告を勧められたけど、ちっとも売れなかった」
「楽天市場の担当者に勧められて送料無料にして利益が減った」
「楽天市場の担当者の勧めでポイントを出して・・・結局は赤字になった」
というお話。
たいてい、そういって文句を言われる方は、自分の責任を棚上げされています。
自分の店(会社)ですよね?
自分の店の経営資源の使い道は、自分で責任をもって決めて管理しないと、失敗は避けられません。
特に新規事業、独立開業を目指している方は、要注意です。
★この記事のまとめ★
●楽天市場のメリットとデメリットを考え、経営資源の投資バランスを考えましょう
●売上金額だけでなく、営業利益・経常利益まで考えましょう
●自分の店の経営は全て自己責任であるということを認識しましょう
【筆者】 日本唯一のネットショップの家庭教師 吉村正裕
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