良い物を作れば、必ず売れる?
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最終更新日:2015/05/07
出店準備
江戸時代から続く老舗の食品メーカーさんの「ネットショップのテコ入れ」という依頼を受けて伺った際の話です。
その会社さんの商品は一級の品質を誇り、かつては有名ブランドでもありました。
70歳以上の方には有名なブランドでしたが、60代以下の人は知らない・・・そんなメーカーさんです。
よって、自社でカタログ通販を郵送して直売をしておられるのですが、年々「他界しました」といってカタログが開封されることなく送り返されてくるようになり・・・
「これでは いけない!」と若い世代に客層を広げるためにネットショップを開設されたのが5年前。
しかし、いつまで経っても売れない。
そこで私に声がかかったのですが・・・
最初に私が社長さんに質問したのが
「どうやったら売れると思いますか?」という質問でした。
その質問に対する社長さんからの答えが
「良い物を作っているので、一度 食べてもらえたら、必ず解ってもらえる」
でした。
良い言葉ですよね。品質に誇りを持っておられますし、生産者としては素晴らしい意識をお持ちだと思います。
しかし、これはWebにおいては「典型的な間違い」なんです。
例えば『日本酒』を例に挙げましょう。
今から20年前の1995年には酒屋さんで売っていました。
今は酒は酒屋さん以外では買えないか? というと・・・
コンビニ、スーパー、量販店、ドラッグストア・・・と どこでも買えます。
つまりお客様が『家で酒を飲みたいな』と思ったときに、どこで『情報に接するか?』がポイントになります。
では、お客様がその『最初の情報』に触れる瞬間が一番多いのはどこでしょう?
答えは「居酒屋」と「コンビニ」です。
『情報』が一番伝わるのは『目』にしたときです。
例えば、コンビニ・・・
会社帰りに、雑誌を買いにコンビニに行く・・・
その後、”今夜、飲もうかな、、”と思い、その時、目の前に『日本酒』があってついでに買っていく。
この時点で、コンビニに置いていない日本酒メーカーは
『自社の日本酒の味を伝えるチャンス』が無くなります。
なぜなら
コンビニは『●●専門店』で目にする筈だった商品を置いているからです。
昔は、本屋でしか売っていなかった本
昔は、お菓子屋さんでしか売っていなかったお菓子
昔は、パン屋さんでしか売っていなかったパン
昔は、牛乳屋さんでしか売っていなかった牛乳
昔は、お弁当屋さんでしか売っていなかった弁当
昔は、電気屋さんでしか売っていなかった弁当
それだけではありません、
昔は銀行でしか払い出し出来なかった現金をおろせて、
昔は銀行でしか振り込めなかった公共料金を振り込めます。
リアル店舗ですら、こんな感じです。
Webの世界のネットショップの場合でも、優位なのは、
『客に来てもらっているところ』
『情報を出しているところ』
になります。
『人に来てもらう』事に力を注がず、
商品の『情報』も出さなかった場合・・・
一体、いつになったら
『買ってもらって』『食べてもらって』『解ってもらえる』
と思います?
★この記事のまとめ★
●良いものを作っただけでは売れない。伝えないと知られない。
●昔は専門店でしか買えなかったものが、今ではコンビニで揃う時代。
●実店舗もネットショップも、人に来てもらって、情報を出さないと売れる筈がない。
【筆者】 日本唯一のネットショップの家庭教師 吉村正裕
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